日経平均を「作って」みよう!

まず、今日が2007年1月1日だとして、エクセルに2007/01/01と日付を入れます。

次のセルに2007年1月2日も入れてからマウスでずるずるっとドラッグするとエクセルは賢いので、「おっこれは日付だな」と認識してその後カレンダー通りの日付を勝手に入れていってくれます。月も年もちゃんと自動でかわります。こんな感じです。

これで一気に1000行目までドラッグすると、カレンダーができあがります。こんな感じです。1000日後は2009年9月26日なんですね(それは本題とは関係ありません)。

次に乱数を発生させます。excelの乱数発生器はRANDという関数なので、セルに=RAND()と書けば0から1までの間の乱数が発生されます。こんな感じです。

次にこの乱数を利用して-2%から+2%までのランダムな数字を作ります。RAND関数は0~1の乱数を発生させているので、(RAND-0.5)*4にすればよいことがわかります。これをB1セルに記入して1000行目までドラッグすれば-2から+2までのランダムな数字が入った列ができあがります。こんな感じです。

次に、2007年1月1日の株価を17000円としましょう(もちろん1月1日に株価などないので、より本当っぽくやりたい人はA列に土日や祝祭日を抜いた日付をexcelで作ってからやってください。手間をかければそういうことも出来ますが、ここでは本題とは関係がないので簡単のために2007年1月1日から毎日株価があるとします)。
翌日の2007年1月2日は前日よりセルB2にあるパーセントだけ日経平均が上下したとします。例えばB2が+1.00であれば2007年1月2日の株価は17000*(1+1.00/100)=17170円になります。7時のニュースで「日経平均終値は昨日より170円上昇して17170円でした」と報道されるわけです。同様にB2が-1.50であれば1月2日の株価は17000*(1-1.50/100)=16745円になります。7時のニュースで「今日の日経平均は、幅広い銘柄で売りが広がり、昨日より255円安い16745円となり17000円を割り込みました」と報道されるわけです。この計算をB3,B4と繰り返しやっていきます。こんな感じです。

さて、後はA列とC列をグラフにプロットしてみればできあがりです。A列とC列を選択してから、散布図を選べばプロットしてくれます。

さて、これで日経平均株価が出来ました。あなたは「神様」です。excelは保存ボタンを押すたびに乱数が再度作り直されるので、保存ボタンを押すたびにちがうグラフがあなたの目の前に出現するでしょう。以下は私の前に現れたいくつかの「日経平均株価」です。


いやー伸び悩んでいますねー。2007年初頭に1万8千円を突破し、1万9千円をうかがう気配を見せるものの、その後急落して1万6千円付近まで落ち込み、その後再度1万9千円に戻すもののそこから2008年にかけて緩やかに降下。1万3千円付近でテクニカル派の崇める「逆三尊」のような形を形成して大底を打ち、2009年にかけて上下しながら1万7千円を復活。
では、またぷちっと保存ボタンを押してみましょう。

おおー今度は「バブル再来」ですねー。2008年夏から秋にかけて日本経済は一気に3万円突破にまでヒートアップ。まさに2008年日本の夏は熱い!しかし、過去にバブルの痛みを経験して懲りている日本株式市場は3万円の大台突破を見て怖くなり、利益確定の売りに走る。その売りがまた売りをさそい、株価は2009年に向けて一気に2万円を割り込むまで急落!

ではまたぷちっと保存ボタンを押してみましょう。

お、今度はかなり普通かも。2008年6月ごろに2万2千円をつけるほどに上昇するが、そこで「三尊天井」を形成して下落。そこからは1万8千円と2万円を挟んで持ち合いのような形を形成する。いずれにせよ1万7千円付近に「底値抵抗線」がありその付近で反発している。

さて、ここまで読まれた方はもうお気づきですね?そうです、おちょくっているだけです。上記のような図を見てファンダメンタル派は、国際的な金融市場の動向を語り、原油高や中近東諸国の政情不安の影響を分析します。テクニカル派は三尊天井や底値抵抗線を見てとり、売りだ買いだと叫びます。でも私がやったことはただ一つの関数を使ってエクセルに図を描かせただけです。そうです。結局我々が「株式市場」と呼んで熱狂してやっていることは所詮この程度のことなのです。森羅万象は何か少しのパラメータ(円相場や原油高、政情不安、三尊天井)で語れるほど単純ではなく、無数のパラメータが無数の影響力で絡み合っているのです。どんな株価形成にも実態はなく、それはただの「結果」にしかすぎません。2番目の図のような「バブル」でさえ、本来均一なはずの乱数で簡単にできてしまうのです(うそだと思うなら2番目の図のようになった時の乱数をプロットしてみてください。どう見ても均一に分布しているようにしか見えません)。すなわちバブルでさえそれを引き起こすに実態はなく、「ただの結果」にすぎないということです。

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