株に投資するということ(1)

よく知られているのは経済学者ケインズの美人投票の例えです。これは当時はやっていたよくある新聞の企画で100人の女性の写真の中から6人を選んで投票するものですが、話を少しややこしく(そして本質的に深遠に)しているところが、これもよくあることですが「さらに最も人気の高かった6人を選んだ方の中から抽選で*人の方に高級プレゼントが当たります!」としたところにあります。さてこの新聞の読者であるあなたは考えます「お、この子も美人だなぁ、あこっちもかわいいなー。えっと6人だから、この子とこの子と….ん?ちょっと待てよ、俺はこの6人が好みだからこの6人がいいと思うけど、他の人はどう思うんだろう…?どう考えても俺は太めのぽっちゃりが好きだから豊満な子ばかり選んでいるけどみんなムチムチプリンが好きなんだろうか…?いかんいかんムチムチプリンばっかり選んでいたらプレゼントはもらえないぞ…えーっとみんなが一番いいと思いそうな6人は….えーっとえっーと…?」。

自分の好みの6人を選ぶことは簡単ですが、他の人の、しかも最も好みが沢山集まりそうな6人を予想することはとたんに難しくなります。 よく市場は効率的かどうかという論争がありますが、そんなもの「どちらも正しい(もしくはどちらも間違っている)」のです。どちらかが正しいというような単純なものではない。例えば有名な話ですが、経済学のクラスの生徒に「1から100までの数字を一つ選べ。全員が選んだ数字を平均してその80%に一番近い数字を選んだものには単位をあげる」と言うやつです。この答えは究極的には0を選ぶのが正解です。なぜならばみんながランダムに選んで平均が50になるとしたら40を選ぶのが正解で、全員が40を選んでくると予想すれば32を選ぶのが正解で…と考えていけば最終的には0を選ぶのが最も合理的と言うことになります。しかしこの問題を出してクラス全員が0と答えてくるとはとうてい思えません。クラスの中には80を選んでくる間抜けなやつもいれば(50が平均だから40だ!うしし)と得意になって答えてくるやつもいます。そのような人がいる限り、あなたの最も合理的で理論的に正解な「効率的市場」の(つまり0が正しいという)考えは「間違っている」ことになります。つまり「正解=間違い」という数学では理解しがたいことが発生しているのです。参加者全員が極めて合理的な判断を行うならば効率的になるように思いますが、合理的でない判断をする人も事実として多数おり、宗教的なものや占星術や風水なようなものを信じて売り買いする人もいますから、その結果を予想することは極めて困難です。唯一言えることは株式市場では「結果が正しかった人」だけが正しかったと言うことです。

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